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新人調理師が知るべきつらい理由まとめ。現役料理人が見てきた退職理由
この記事では、現役20年の調理師が見てきた以下の3つを解説します。
- 調理師がつらい理由
- 調理師の退職理由
- 調理師を続けるコツ
調理師を仕事にするとつらくて大変なことがたくさんあります。
実は筆者は、「好きなことを仕事にしたら楽しい」そう思ってた時がありました。
新人調理師の頃の悩み。
- 料理やめようかな
- 違う仕事にしようか
- 調理師ってつらい仕事しかないの?
- 今の職場おかしいんじゃないか?
調理師に良くある悩みですがつらい理由は、次の2択。
- 仕事を甘く見てた
- 職場が理不尽
この記事を読めば調理師はやめとけと言われる理由がわかります。
実は私も、1度料理人を挫折しています。
同じ失敗をしないために、ぜひ最後まで読んでください。
料理好きが調理師になっても挫折しないように、調理師を続けるコツも紹介します。
難易度 | 特徴 | |
---|---|---|
調理師のつらさ | ★★★★☆ | 仕事内容より職場環境に左右される |
調理師のなりやすさ | ★☆☆☆☆ | ハードルは低い |
仕事の続けやすさ | ★★★★☆ | 慣れるまでに時間がかかる |
調理師がつらい理由11選
新人調理師のつらいこと11選
- 完璧が求められる
- スピードが必須
- ハードルが高い
- 仕込み多すぎ
- 拘束時間が長い
- 休みが少ない
- 営業時間はほぼ立ちっぱなし
- キッチンは想像以上に暑い
- ピークタイムは戦場
- いまだに職場環境が悪い
- 人間関係、特に上下関係が厳しい
- 調理意外に求められるスキルが高い
筆者は20年以上調理師をしてますが、ぶっちゃけ調理師はやめとけと言います。
なぜなら、料理の仕事は好きでもつらいことが多いからです。
ここでは、
- 筆者が新人調理師の頃つらかったこと
- 今の新人によく相談されること
を紹介します。
調理師の悩みの対処法はこちらをどうぞ→「調理師の悩み」効果的な7つの対処法
完璧が求められる
飲食店では、当然ですがいい加減な料理は出せません。
生焼けのステーキや虫の入ったサラダはもちろん、傷んだ食材や髪の毛が入った料理など論外です。
盛り付け一つとっても、お客さんが喜ぶ一皿を提供できるようにならなければなりません。
「1個目に作った料理も100個目に作った料理も、お客さんからは1個めの料理」
これは僕が料理をつくるときに心がけていることです。
調理師は失敗ひとつ許されないのでプレッシャーがつらいです。
スピードが必須
「限られた時間」「適切なタイミング」で料理提供することが求められます。
飲食店のピークタイムはほぼ同時にお客様が来店するので、10卓あるレストランなら10組分の料理をお客様に合わせて提供するのでライブ中(営業中)はスピードが必要です。
コース料理などは食事のペースにあわせて提供するため料理を作る順番がよく変わるので、常に対応できるように手の速さも頭の回転の速さも調理師には必要なスキルです。
熱い料理は熱いうちに、冷たい料理は冷たいうちに提供するのが当然の仕事。
調理師のがつらいのは、美味しいだけでも見た目だけでも丁寧なだけでもダメなところ。
ハードルが高い
調理師は料理上手なだけじゃダメなんです。
- 味覚
- 調理技術
- 盛り付けのセンス
- 目利き
- レシピ作成
- オペレーション構築
調理師はなりやすい反面、1人前になるまでのハードルが高いです。
調理師のスキルは一つ一つの積み重ねなので、1年で完璧にできるようになることはありません。
少しづつ自分の成長を感じるのが調理師の楽しさですが、新人調理師は先輩とのスキルの差に距離を感じるでしょう。
調理技術も、「早い」「丁寧」「キレイ」と完璧さが求められます。
仕込み多すぎ
繁忙期(3月や12月)は、仕込みが多すぎて終わりが見えません。
特に年末
「仕込み多すぎて家に帰れん」
「忙しすぎて家に帰る時間も惜しい」
「大晦日くらい休ましてくれ」
山積みされた食材に、むいてもむいてもなくならない牡蠣。
永遠と終わらないトマトの湯むき。
ケース単位で仕込むアッシェ(みじん切り)。
初めての年末は、地獄のような日々でした。
筆者も家に帰れなさすぎて、「なんでこんな仕事してるんだろう」とつらかったことがあります。
拘束時間が長い
飲食店は、朝は早く夜は遅い。
ランチをやっている店舗は、朝の仕込みから夜の閉店作業まで勤務時間が12時間を超えることがありますし、個人経営店などは市場の時間に合わせて朝5時起きになることもあります。
完全予約制のレストランやディナー営業だけの店舗でも、仕込みの時間を入れるとキッチリ8時間だけの勤務はむずかしいです。
シェフがしっかり管理しているところは、段取りやオペレーションがちゃんとしてるので比較的残業は少ないです。
シェフ次第で、勤務時間が左右されるということ。
休みが少ない
飲食店は、カレンダー通りには休めません。
飲食店は祝日などが稼ぎ時になるので、GWやお盆など大型連休はほぼ取れないと考えたほうがいいでしょう。
繁忙期の3月や12月は、休みたい日に休むことは諦めるしかありません。
調理師がちゃんと休むには、職場ガチャで当たりを引く必要があります。
立ちっぱなし
調理師の仕事は、9割立ち仕事。
営業中はもちろん準備中も、納品チェックに仕込みに営業準備と1日中立ちっぱなしです。
特に新人はすべての業務が立ち仕事なので、慣れるまでは毎日足がパンパンになるかもしれません。
繁忙期は、まかないを食べる時間も惜しいので、仕込み中に立ち食いと座るヒマはほんとにないです。
暑い
キッチンはホント暑い。冗談抜きで焼けるような暑さです。
特に炭を使う焼き場や、火を使うカンテキ(コンロ場)は夏場は地獄のような暑さで体重が落ちます。
炭やフライヤー(揚げ場)オーブンに火が入ると、キッチン内の熱気が一気に上昇します。
体感温度は50℃。
シェフによっては、エアコンの風で料理が冷めるのを嫌う人もいるので、キッチンにエアコンつけるかどうかはシェフ次第なとこがあります。
もう慣れましたが、筆者は毎年夏になると3~5kg体重が落ちるほど暑いです。
ピークタイムは戦場
ピークタイム一瞬の油断が命取り。
飲食店はピークタイム(12~13時、19~21時)の1~2時間で、1日の売上の8割を出します。
止まらない伝票、積み重なる食器、突然のアレルギー食材。
恐ろしく早い時間の流れに、最初は足手まといと感じてつらいでしょう。
1~2時間に集中力を全部使うので、レベルの高いキッチンほどライブ中(営業中)はパリッとした緊張感が流れていて一つ一つの料理に対する真剣さが高いです。
ピークタイムは秒単位で状況が変わるので、まさに戦場です。
職場環境が悪い
調理師がつらい理由第1位。
ブラック飲食店に当たるとプライベートがなくなります。
- サービス残業
- 休日出勤
- 理不尽上司
- 有給なにそれ
労働時間は長い、休みも取れないとなるとスキルアップ以前の問題です。
筆者も以前は、ブラック飲食店で働いていました。
体力的にもつらいけど、心が擦り切れていく感覚がするんですよね。
そんな飲食店にあたった時は一刻も早くやめましょう。
先が見えないと感じたらそのお店はブラック飲食店かもしれません。
上下関係がきびしい
シェフや料理長の言うことは絶対。
理不尽なことも黙って聞かなくてはいけません。
「黒といえば白いものも黒」
「呼び出されたら休み返上」
「鍋みがきしとけと言われたら終わるまで帰れない」
メンタル強者か無神経な人でないとつらいです。
まぁ、今ではこんな調理師はなかなかいませんが、手取り足取り丁寧に教育してもらえることは期待できません。
シェフの人間性と合わないと、もうホントつらいんで早く辞めたほうがいいです。
マルチタスク能力が必要
飲食店のキッチンは、料理ができるだけじゃできません。
調理師に必要なスキル
- 調理技術
- 食材の知識
- 報連相
- オペレーション構築
- 指示出し
- 状況予測
仕込みは同時進行が当たり前、営業中はお客様のペースに合わせて臨機応変に調理。
10組のお客様がいれば、10組のテーブル状況を予測しながら調理を進めていくので高いスキルが求められます。
料理人として自立している人は、調理だけじゃなく全てのスキルが高いです。
特に新人の頃は、先輩料理人を見て調理技術以外のスキルの高さを見て自分ができる姿が想像できずに打ちのめされます。
筆者も修行時代は、先輩料理人がすごすぎてとても追いつけるとは思いませんでした。
調理師として自分がやっていけるのかがわからない時は、とてもつらかったのを覚えています。
調理師は一つ一つの積み重ね。毎日少しづつ積み重ねていくので不真面目な人には向いてません。
ここまで調理師はつらいからやめとけと言われる理由を紹介しました。
次は、調理師が退職する理由を紹介します。
実際に筆者もブラック飲食に当たり他業種に転職したことがあります。
調理師からホワイト企業に転職した体験談はこちら
調理師の退職理由
調理師の退職理由は、9割がブラックな職場が原因です。
- 根性論を押し付ける上司
- 現場を知らない管理職
- 報連相がない
- 職務外の雑用が多い
- 向上心のない社員が多い
- 平等を押し付けてくる
ギスギスした職場と悪質な環境で、つらい仕事に耐えて美味しい料理を作ることは常人には不可能。
料理を続けたくてもブラックな環境が原因で辞めていきます。
働きやすい職場が増えつつあるとは言え、料理人のやりがいを搾取する職場はマジでつらいです。
20年以上調理師を続けている筆者が、今まで見てきた調理師の退職理由を解説します。
ブラック飲食店に当たる
ブラック飲食店は料理好きが料理に集中できる環境がありません。
- 料理の勉強をする時間がない
- 独立する貯金もできない
- プライベートの時間もない
- 先が見えない
「みんな我慢してるんだから、お前も我慢しろよ」と、よくわからない平等精神を押し付けてくる。
休日出勤させたり、サービス残業させたりと、毎日時間に追われる生活。
そんな職場環境が嫌で調理師は辞めていきます。
こんな環境じゃ、体も心も擦り切れるばかりで料理を楽しむ余裕もありません。
飲食業もブラックと言われる職場はかなり減り、しっかり転職活動すれば好条件も見つかります。
ですが、Twitterやニュースで取り上げられるようにまだまだブラック飲食店が存在するのも確かです。
筆者もスキルアップしたら絶対やめてやると思って実際にやめました。
ブラック飲食から脱出した方法は以下で紹介しています。
現場を知らない管理職が作るルール
現場を知らない人間がルールを作ると、無駄な仕事が増えます。
現場を知らない管理職の特徴
- 現場に入ったことがない
- 理不尽
- 机上の空論が多い
- 無駄にノルマを課す
- 意見を聞かない
- 無駄なミーティング、会議が好き
現場や営業中の状況を確認しないまま無駄に仕事を増やすと、現場は大混乱です。
無駄な雑用が増える。意味のないルールが増える。形だけの朝礼をやる。
頑張って会社をよくするより、転職したほうが早いです。
精神的につらい人間関係
未だに料理人の世界には、厳しさと理不尽の違いがわからない人がいます。
「黙って言うことを聞け」「見て覚えろ」「口出しするな」
こんなセリフは、職場の人間関係が一気に悪くなります。
人間関係が悪いと、
- 仕事を教えてもらえない
- 一緒に仕事したくなくなる
- 心が擦り切れる
- 仕事に行くのが嫌になる
日々出勤するのも嫌になってしまいます。
職場環境が悪く、人間関係も悪いと、料理人としても人としても成長できません。
一緒に働きたくない人間がいる。横暴な上司がいる。この職場で成長できる未来が見えない。
コミュニケーションが取れない人とは、一緒に働きたくないですよね。
上辺だけの上司
- その場しのぎが多い
- 現場の意見を聞かない
- 意味のないミーティングが多い
- 役職者と部下の前で態度が違う
- 手柄を横取りする
上司ガチャにハズレるとつらいです。
自分の評価を上げることに必死な上司は、ハイエナのように手柄を横取り。
向上心がなく面倒事が嫌いな上司は、職場環境を改善するのに消極的。
現場の責任者がいい加減だと、どれだけ頑張っても職場環境は良くなりません。
ほぼ全てが筆者の退職理由でもありましたし、調理師仲間の退職理由でもあります。
こんな職場に当たらないように、働きやすい職場の特徴も紹介します。
働きやすい職場の特徴
調理師が働きやすい職場の特徴をまとめました。
働きやすい職場の特徴 | 大切さ |
---|---|
報連相ができてる | ★★★★★ |
真面目な人が多い | ★★★★☆ |
向上心のある人がいる | ★★★☆☆ |
営業中は緊張感がある | ★★★☆☆ |
理不尽な要求をされない | ★★★★☆ |
オンとオフがはっきりしている | ★★★☆☆ |
以上のことが全てではありませんが、ブラックと言われる職場や人が続かない職場は間違いなくできていません。
つらいことと厳しいことの境目は、あなたしかわかりません。
調理師としてスキルアップもできてオーナーシェフや独立を目指せる職場は、楽しくゆるいところではなく、厳しさと楽しさのメリハリある職場です。
今の職場が当てはまっているか確認してください。
調理師を続けるコツ
調理師を続けるにはコツがあります。
- 目標を決める
- あなたにあった職場を見つける
- 気の合う仲間を探す
- 調理師の魅力を知る
1番大事なのは、目標を決めてあなたにあった職場で働く。
料理好きだけで調理の世界に入っても続きませんし、根性だけでは乗り越えられません。
なぜなら、料理の世界はあなたの目標で向いてる職場が変わるからです。
調理師を20年続けて気づいた、つらい仕事を乗り越えるコツをお伝えします。
やりたいことを決める
あなたがやりたいことを決めましょう。
決めるといっても和食やイタリアンなどのジャンルではありません。
- 料理人として生きて行くのか?
- オーナーシェフを目指すのか?
- 飲食店経営者を目指すのか?
料理人ならバリバリ調理ができる職場。
オーナーシェフなら店舗運営ができて決算書など数値管理を学べる職場。
経営者ならマネジメントが学べて独立資金が貯められる職場が理想です。
やりたいことが決まれば、あなたにあった職場も見つけやすく厳しい世界も生き抜くことができます。
あなたにあった職場を見つける
調理師には、向いてる職場と向いてない職場があります。
- プライベートを大切にしたい
- スキルを早く上げたい
- 楽しくゆるく料理したい
あなたにあった職場は必ずありますし、福利厚生のしっかりしたホワイトな職場もあります。
プライベートを大切にしたい
・ちゃんと休めるコンプライアンスのしっかりした会社。
スキルアップしたい
・厳しくてもバリバリ料理ができる飲食店。
調理技術をレベルアップしたい人がゆるい会社に入っても満足できませんし、家族やプライベートを大切にしたい人が厳しい会社に入ってもストレスが溜まります。
残業して稼ぎたい人は毎日定時で帰りたくないでしょうし、仕事とプライベートを分けたい人は定時で帰って休みたいでしょう。
あなたのやりたいことを決めて、あなたにあった職場を探しましょう。
筆者は、市場で仕入れから閉店作業まで1人でこなす超絶ブラックから、残業なし年休120日ボーナスありの超絶ホワイトまで経験してますが、どちらも合いませんでした。
ブラック飲食店
・調理技術や目利き、店舗運営までがんがんスキルが上がるが体力が持たない。
ホワイト飲食店
・楽だったけど、スキルが上がらず成長してる実感もなく、料理人としての将来の不安を感じる。
やりたいことに優先順位をつけると、あなたに向いてる職場が見つかります。
いい仲間を見つける
仲間ができると仕事が楽しくなります。
厳しい世界も乗り切れますし、独立しても助けてくれることもあります。
料理人は仲間を作りやすいです。
同じ釜の飯を食うというように、まかないを一緒に食べることの多い料理人は仲間を作りやすいです。
仲間は無理して作ることはありません。
合わない人間といると無駄に疲れますし相談することもできないですから。
ですが、気の合う仲間は大切にしましょう。
将来必ず、仲間がいてよかったと思う時が来ます。
料理人の魅力を知る
料理の世界はつらいことも多いですが、楽しく魅力的なこともたくさんあります。
つらくてやめた人間も家庭の事情でやめた人間も、料理の世界に戻りたいという料理人はたくさんいます。
筆者の仲間にも料理の世界をやめた人間はたくさんいますが、料理が嫌いになってやめた人間は1人もいません。
それほど、調理師は魅力的な仕事です。
料理人の魅力を知れば、今つらいあなたも乗り越えることができます。
調理師はつらいけど、続けるコツを知れば乗り越えられる
調理師がつらいからやめとけと言われる理由と料理人を続けるコツを解説しました。
筆者は、ホワイトな職場もブラックな職場も経験してきました。
20年以上料理の世界にいますが、どちらの職場もあなたに必要なもので感じ方が変わります。
「料理人」「オーナーシェフ」「独立」
欲しいスキルを学べる職場が、あなたにあった職場です。
調理師の魅力も紹介していますので、ぜひお読みください。